アメリカで国歌斉唱時に起立しない人は稀で、キャパニックが始めた不起立による抗議は大きな注目を集めました。

当初は着席したままだったのですが、元陸軍精鋭部隊のメンバーで、2015年のプレシーズンのみシーホークスにロングスナッパーとして所属していたネイト・ボイヤーの忠告を受け入れ、片膝をつくようになり、チームメイトのSエリック・リードもキャパニックの隣で片膝をついて加わるようになります。

スポーツ中継ではあり得ない光景だけにインパクトが強く、黒人差別の撲滅には賛成するが、それを訴えるのに別の手段は選べないのか?そういう声も挙がりました。しかし、キャパニックはロッカールームでも口数が少ないことで知られていた選手。言葉を使うより、行為で示した方が問題提起に最も効果的だと判断したのでしょう。

キャパニックの意図がどうであれ、とにかく国歌斉唱時に起立しないのは国旗に対する侮辱、国旗の下で身を危険に晒して国を守る軍人への侮辱だとする強く批判する人もいます。

侮辱と誤解されないように、元軍人の忠告を聞き入れ、着席したままの状態から片膝をつく姿勢へと変更。元軍人の中には命をかけて戦ってきたのは国歌斉唱中に起立しないという行為を含めた表現の自由を守るためで、侮辱行為とは受け止めていないと言い切る人もいるにも関わらずです。

トランプ大統領は22日のアラバマ州での演説で反対派の意見を代弁。起立しない理由や表現の自由にまったく触れることなく、一方的に侮辱行為だと断定し、起立しない選手を「Son of a bitch」と罵り、そんな奴はオーナーにクビにしてもらいたくないか?と煽りました。

白人が圧倒的に多いオーナー陣に表現の自由を行使する黒人選手を解雇せよと言うのは、一昔前のプランテーションのオーナーに言うことを聞かない奴隷の首を切れと言うのと同じように聞こえます。

これを受け、NFLは声明を発表。大統領の名前は出さず、「あのような」発言はチーム内で選手同士や選手とオーナーを対立させたり、地域社会のファンの対立を招くものだと反論しました。また、声明では直接、不起立の是非は議論せず、チームや選手がいかに地域社会を結束させ、大きな貢献を果たしているかを訴えました。

翌日に行われた第3週の試合では、国歌斉唱中にオーナーを含むチームの全員が腕を組んで一列に並んだチームもあれば、選手個人に選択の自由を与えたチームもあり。大統領の期待に反し、これまで以上に多くの選手が片膝をつき、全32チームが何らかの形で選手間、選手とオーナー間の結束の強さを示しました。

 

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